ヒゲナガガ科 Adelidae
ヒゲナガガ科に属する蛾は、名前の通り♂が非常に長い触角を持ち、長いものでは前翅長の3倍を超えるものもあります。 成虫は昼行性で、金属光沢の美しい翅を持つ種類が多く、魅力的な小蛾類のグループです。日本からは40種近くが知られています。
![]() ワカヤマヒゲナガ?の♂の群飛 ヒゲナガガ科の大部分の種では、複数の♂が集まり蚊柱のような群飛(スウォーム)を形成します。 群飛は種類によって決まった時間帯・決まった植物上・決まった気象条件の下で形成され、これに♀が飛び込んで行って交尾が成立すると考えられていますが、 実際に観察された例は少なく、詳細はよく分かっていません。 幼生期もユニークで、例としてゴマフヒゲナガ N. raddei では、卵は寄主植物(ヤナギ科)の組織内に産み込まれ、 1齢幼虫は寄主植物の組織を食べますが、2齢以降は植物体を離れポータブルケース(いわゆるミノムシ)を作り、 枯葉などの腐植質を食べて成長を完了することが知られています(黒子,1961)。 しかし生活史の分かっている種類は少なく、これまで数種が報告されているに過ぎません。 参考文献
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